-JFA選手のためのハンドブックより
大好きなスポーツを楽しむのは権利
サッカーが大好き
試合がおもしろい。
いろいろな人と出会える。一緒にプレーできる。
いいパスが出せるときもちがいい。
点がとれたらうれしい。
仲間とこころが通じ合うとうれしい。
将来はサッカー選手になりたい。代表選手になりたい。海外でプレーしたい。
もっともっとうまくなりたい。
うまくなりたいと思って、一生けん命に練習する。
うまくなるために、手を貸してほしい。
よい指導をしてほしい。
今の自分の成長とレベルに合った、適切な働きかけをしてほしい。
何がよかったか、何をどうしたらもっとよくなるか、具体的に伝えてほしい。
自分で一生けん命見つけるけど、がんばってみるけど、助けてほしい。
わかりやすい言葉や見本で、わかるように伝えてほしい。
1回ではできるようにならないかもしれないけど、
すぐにおこらないで見ていてほしい。
失敗するとおこられたり、あきれられたりするのがこわい。
どうしてできないんだ!とか
どうしてわからないんだ!とか言わないでほしい。
どうしてなのか、自分にだってわからない。
プレー中、どなられるとその声を気にしてしまう。
それしか考えられなくなってしまう。
自分でやろうと思うことと違うと、とまどって失敗して、
またおこられてしまって、ぼくだって本当にがっかりだ。
緊張すると、よけいに失敗してしまうんだ。
失敗はこわいけど、思いきってやってみたい。
だって、サッカーとかスポーツって、ゲームってそういうものだよね!
[よい指導者は]
よい指導者は勉強している。学び続けている。
サッカーの中身はもちろん、
子どもたちがどのように成長していくのか
どのように学ぶのか
勉強して、よりよい指導を目指している。
そして日々、
君たち一人ひとりの成長に寄りそい見守ってくれる。
練習にも試合にも、
たくさんいろいろな準備をして取り組んでくれる。
だからも今日も、思いきりサッカーを楽しむことができる。
そして、チームスポーツであるサッカーを通して
人として大切ないろいろなことを教えてくれる。
その言葉どおり、自分自身も行動している。
見本であり、尊敬できる人。
将来、自分も、
こんな指導者になってみたい。
大好きなスポーツに、
関わっていきたい。
[試合に出て力を試すチャンス]
練習したことを試合で試す。
次の試合でもっとうまくできるように、練習する。
試合に出てプレーして、
自分自身の目標がもてる。
これはスポーツを楽しむうえで、大切なこと。
子どもに合ったゲーム。
みんながたくさん
試合に出られるように
人数に合った指導者、
人数に合ったチーム。
たくさんいたら複数のチーム。
自分に合ったクラブを選ぼう。
クラブのルール、約束ごとを、はじめに確認しよう。
いろいろなクラブがある。
自分にやったクラブを、自分自身の目で確かめよう。
その約束ごとは、クラブに関わるお互いの約束。
はじめに確認し、わかり合うもの。
よいクラブには、よい指導者がいる。
情熱があり、みんなの成長を願うよい指導者がいる。
勉強している指導者がいる。
指導者が十分にいて、一人ひとりを助けてくれる。
試合の機会が十分にあり、成長できる。
安心・安全を担当する人がいる。
健康・安全にも取り組んでいる。
クラブで「リスペクト」を大切にし、考え、行動している。
一人ひとりには、いろいろな目標がある。
自分に合うクラブを見つけよう。
合わなかったら合うところを探そう。
[暴力・暴言はいらない]
サッカー、スポーツには
暴力・暴言はいらない。
みんなの手でなくそうとしている。
君たちにも協力をしてもらう必要がある。
暴力を、
しない、させない、許さない。
暴言も同じ。
自分がしないのはもちろんのこと、人にもさせない、あることを許さない。
大人もしない。選手である君たちもしない。
選手同士でも、絶対にしない。
人がしたからといって、しない。
人にされたからといって、しない。
見て見ぬふりもしない。
サッカーはみんなのもの。
誰からも取りあげることはできない。
サッカー、スポーツはすばらしいもの。
そのすばらしさを守るのに、
みんなの力を貸してほしい。
サッカー、スポーツは、
自分自身が楽しくて、やりたくて、やるもの。
開放的で、爽快で、達成感のあるもの。
勝ったり負けたり、
うれしかったりくやしかったり、
こころが大きく動く、
たくさんの経験ができるもの。
大切なものを
たくさん見つけられるもの。
相手をおとしめるのではなく、
自分自身を高めて勝つことを目指すもの。
ルールのもとで競うもの。
ルールを破ったら、スポーツは成り立たない。
相手を傷つけて勝っても、それは力にならない。
[みんな大切なひとり。]
どこで生まれようが、
大きくたって、小さくたって、
性別だって関係ない。
肌の色が何色だって、
障がいがあってもなくても、
みんなみんな、
みんな、君と同じように、
それぞれ大切なひとり。
人が大切にしているものは、
自分が大切にしているものと、
同じように大切。
みんな、それぞれのプレー。
みんな、それぞれの意見。
みんな、それぞれの想い。
サッカーはみんなのもの。
サッカーを楽しむことはみんなの権利。
誰もそれをじゃますることはできない。
安心・安全が保たれないような何かがあったら、相談しましょう。
自分が困ったら、
仲間が困っていたら、相談しよう。
気になることがあったら、なるべく早く相談しよう。
仲間に、
保護者に、
指導者に、
クラブの、安心・安全担当者に。
大会の、安心・安全担当者に。
日本サッカー協会にも相談窓口がある。
君たちが相談してくれることは、
とても大事なこと。
サッカー、スポーツでの
正義を守る、勇気ある行動。
協力して解決しよう。
そして、スポーツそのものを、
心おきなく楽しめるようにしよう。
[リスペクト大切に思うこと]
大好きなサッカーを楽しむために必要なもの。
仲間を
対戦相手を
指導者を
審判を
運営してくれる人を
家族を
応援してくれる人を
施設を
道具を
サッカーを通して出会った人、
ものを、大切に思う。
きっと一生のたからものになる。
全力をつくして勝利をめざすこと。
それがサッカー、スポーツを大切にすること。
日本は、フェアで強いサッカーをめざしている。
君たちも、その一員だ。
リスペクトを忘れない選手が、本当に強い選手になれる。